ビル清掃は国家資格がある仕事

ビルの窓掃除をするゴンドラ

ビルの中での仕事中にふと窓を見やると、洗剤や用具を用いて窓ガラスや外壁を清掃している様子を目にすることがあります。
この仕事は清掃方法を教えてもらえば誰にでもできそうだと思われがちですが、ビル清掃をしている作業員の中には国家資格を保有している人が非常に多いです。

ビル清掃の業務において関係してくる国家資格はたくさんあります。
例えば、ある建物の内部を清掃する業務を行う場合はその責任者として清掃作業監督者と呼ばれる国家資格者がほぼ必ずいます。
これは2日間にわたる講習を受け、最後に行われる考査に合格すれば取得することができます。

また、高い建築物の外で清掃作業をするときはゴンドラや高所作業車が用いられることがありますが、これらの機械を操作する作業員はゴンドラ操作者や高所作業車運転者の資格を持っていなければなりません。
これはどちらも労働安全衛生法に基づく国家資格で、必要な教育および講習を受けた後に実施される学科試験と実技試験に合格すると修了証が交付されます。

さらに、ビル清掃作業そのものの技能や知識を認定する国家資格として、ビルクリーニング技能士と呼ばれるものがあります。
この国家資格は2015年までは単一等級で、実技試験と学科試験に合格すればあらゆるビル清掃作業に従事することができましたが、2016年から1級を最上級とする等級別の検定となり、内容も大きく変更されています。

ビル清掃業に長く従事していきたいのであれば、まずは1級のビルクリーニング技能士を取得するのが目標となるでしょう。
1級の検定に合格すると、前述の清掃作業監督者の取得に必要な講習への参加資格を得られるほか、ビルメンテナンスの業界団体の主催で年に1回開催される技能競技大会への出場資格が得られます。
技能競技大会は地区予選と全国大会に分かれており、優勝すれば自分自身だけでなく在籍するビル清掃会社のアピールにもつながります。

ビルクリーニング技能士検定の内容について

ビルクリーニング技能士検定は2016年から等級が設けられ、ビルメンテナンス業に従事してさえいれば実務経験の長さに関係なく3級の検定を受けられるようになりました。
等級がある国家資格では、ある級の認定試験を受けるためには1つ下の級の試験に合格しておかないと受験資格を得られないことが多いですが、ビルクリーニング技能士に関しては実務経験の要件を満たしていればいきなり1級の検定を受けることが可能です。
なお、1級を受検するのに最低限必要な実務経験の年数は、未取得者であれば5年、3級の合格者は3年、2級合格者は1年となっています。

ビルクリーニング技能士検定の各等級の試験は年に1回行われており、受検者は学科試験実施日のおおむね3ヶ月前から始まる願書の受付期間内に必要書類の提出と検定料の払い込みを済ませて試験当日に備えます。
学科試験は全等級で真偽を尋ねる問題が25問出され、1級と2級の試験では択一式問題も25問出されます。
出題内容は、清掃に使用する洗剤や用具のことや建築物の清掃方法、ビル清掃の対象となる建築物の各部や使用建材など、ビルクリーニング作業をする際に必要な知識全般が問われる内容となっています。

実技試験は学科試験の翌日以降、指定された日に実施されます。
当日は課題が3つ与えられ、受検者は制限時間内に適切だと思う清掃方法を試験官の前で実施します。
制限時間を過ぎると失格となりますが、時間内に作業を終えていても標準時間を超えてしまうと減点となります。
2級以上の受検者は、作業試験の他にも積算見積などに関するペーパーテストがあり、学科試験終了後に受けることになっています。

ビルクリーニング技能士検定の合否は、実技の作業試験の実施期間が終わってからおよそ1ヶ月半後に書面で通知され、合格者には試験の実施機関の名称が記載された合格証書が交付されます。